2012年04月26日
立体と平面

この作品は、沖縄に移住して、1年後ぐらいの時に作ったもの。
それまで、ずっと電器メーカーで貿易事務の仕事をしていて、
芸術には全く、何もできなかった私が、死に物狂いの努力と研究の結果、
たったの一年でこの作風を作り上げた。
これを作成するのに、 「 作るだけ 」 で 8時間。
考案する時間を考えたら、途方もない時間になる・・・。
そのぐらい、努力の結晶の作品。
ある日、千葉県から、あなたの作品を気に入ったから
うちの店に置かせてほしい。
(っていうか、置かせてあげる、認めてあげてるんだよ)
という人がやって来た。
そして、この作品を見て、これは 5000円だね。と言いました。
通常、お店の取り分と作家の取り分は、5割ずづ。
と言う事は、私には、これを売ったら 2500円しか入ってこない。
もちろん、材料代もその中に含まれているので、それを考えたら
売っても100円ぐらいにしかならない。100円でも入って来たらまだマシかな。
ばかばかしくて、売らなかった。
そしてまたある日、沖縄の、取引先の店にこれを持って行った。
作品に理解のある、いい店の店長が言いました。
販売価格、5000円ぐらいですね、と。
そういう訳で、私は、これを誰にも売らず、宝物として大切に保管しています。
平面と立体・・・ 絵画 と 陶芸、まゆ人形、漆喰シーサー・・・など、
一般的に、平面の絵画などは、異常なぐらいに 高い。
そして、立体の陶芸などは、作者の努力を考えたら、ありえないぐらい、安い。
でも、平面はいくらでもコピーできる。同じものを大量生産できる。
立体はコピー出来ない。同じものを作ったつもりでも、同じものは作れない。
前から疑問に思っていたけど、平面の物はなんであんなに大した事ないのに
高く評価されて、立体の物は、低く評価されるのだろう・・・。
だから、私は、最近あまり、陶芸をしないで、絵を描く事に走った。
一枚、いい絵が描ける。そしたら、それを、簡単に複製、コピーできる。
いくらでも、同じものを作る事が出来る。
平面と立体の、価値の不公平さ・・・これは、おかしい。かなり、不平等、不公平。
平面の物を作る人は、強欲な人が多い。
立体の物を作る人は、無欲な人が多い。 これが結論です。それだけの違い。